ロータリーエンジン
ロータリーエンジン(英語ではWankel engine)は、ロータリーピストンエンジンともいい、回転するピストンを用いたオットーサイクルエンジン(4サイクルガソリンエンジン)である。ドイツの技術者フェリクス・ヴァンケルが発明した。英語でというときは、航空機用エンジンのものを指すことが多い。ピストンの運動を直接回転運動として取り出せるが、熱機関としての動作は通常のピストンエンジン(レシプロエンジン)と同等である。
形状
そのシリンダ側面は2ノードのエピトロコイド曲線というまゆ型であり、ピストンはこのエピトロコイド曲線に内接する3葉の内包絡線という三角おむすび型をしている。ピストンは遊星歯車により出力軸と結合し、ピストンの1回転で4サイクルの工程を完了する。
自動車用
自動車用としてはNSUバンケルタイプが唯一実用化されている。 その後NSUに続いてマツダが量産化に成功し、コスモスポーツに搭載した。他にもシトロエンなどが生産モデルに搭載しているが、1970年代以降も量産を続けたのはマツダのみである。
構造上の利点と欠点
極めてシンプルな構造のため、理論上は各部分の抵抗が少なく済み、レシプロエンジンに比べると以下のような優位性がある。 軽量、コンパクト 低振動、低騒音
特に後者はピストン運動を回転運動に変換するのではなく、もともとが回転運動である本エンジンの構造に由来するものであり、当初は性能でもレシプロエンジンを大きく引き離して未来のエンジンと持て囃された。
ところが、このエンジンの開発期における最大の問題点でありかつ解決されたかにみえた部分における部分が後に重要視されるのである。 金属製ピストンリングを用いるレシプロエンジンに比べ、当エンジン実用化の最大の焦点であったアペックスシールに頼った構造のロータリーエンジンは、燃焼室の気密性を上げられないために、圧縮比も十分に上げられず、低速トルクも不足する。 ローターによって形成される燃焼室は、燃焼効率面で不利な形状になってしまう。 上記の理由が災いし、燃費効率の面でいちじるしく不利である。圧縮比の不足をターボチャージャーで補う事も行われたが、出力向上はともかく、実用燃費は更に悪化した。
ロータリーエンジンは構造が簡単であるがゆえに改良すべき部分が少なく、長期間の信頼性・耐久性においても、枯れた技術であるレシプロエンジンに及ばなかった。
- あげられる欠点は多々あるが、ロータリーエンジンを長期間にわたって量産しているメーカーはマツダのみであり、どれほど改良の余地があるかは不明である。
1990年代以降には水素ロータリーエンジンがマツダによって研究開発されている。
マツダ
マツダがフォードの傘下に入り、2002年にRX-7の生産停止が決定され、これでロータリーエンジンの歴史も終わりかと思われていたが、マツダは意地でロータリー搭載車を作る事をフォードに主張し、RX-8を発表した。ロータリーエンジン搭載のスポーツカーは一部の人々には熱狂的に支持されており、ロータリーエンジンとマツダは切っても切れない関係で在り続けて欲しいと願う人も多い。